1.ハイエナのデコとボコ


ハイエナのデコとボコ
宮西達也

最初は一番好きな絵本にしよう!とか、一番読んだ絵本にしよう!とか考えていると、なかなか書けないもの。好きな作家の中から1冊ずつに絞って、紹介していこうと考えると、すっとこの絵本が出てきました。


宮西達也さんの絵本は、インパクトの強い絵で、印象的なものが多いです。
「おとうさんはウルトラマン」のシリーズやティラノサウルスのシリーズ、「にゃーご」、「おっぱい」etc.
これまで読んできたどれもが好きなんだけど、ぶたくんが100ぴきのおおかみに追い回される「ぶたくんと100ぴきのおおかみ」や、逆に、おおかみがたくさんの昼寝中のぶたさんを見つけて舞い上がる「きょうはなんてうんがいいんだろう」などの、食うか食われるかの関係での、底抜けに明るいお話が好きです。
そして、一番好きなのは、これはもう最初に読んだ時から「コレだ!」と思ったのですが…「ハイエナのデコとボコ」です。


デコとボコが「うまそうなやつがこないかな」と話していると、タイミング良く現れるねずみ。
「あ……。」
ダッダッダッダッ
追いかけて行くのですが、深い谷底にかかる橋に臆して、取り逃してしまいます。
あんなちっちゃなねずみをつかまえたって、ふたりでわけたらすこーしだ、と負け惜しみを言い、本当はにわとりが食べたかったんだと言ったとたん、そこにはにわとりが。
「あ……。」
以下繰り返し。


絶妙の間と、ダッダッダッダッの繰り返しと、デコとボコのおまぬけな顔がすっごくおかしいのです。ちょっとデコとボコの色が薄くて、周りに溶け込んじゃうので、もうちょっと濃いと良かったな〜と思うのですが、それでも宮西達也作品では一押しの大好きな絵本です。
ひかりのくにの月刊配本誌としてしか出ていなくて、一般には販売されていないんですよね。それがとっっっても残念。