かはたれ

かはたれ (福音館創作童話シリーズ)
かはたれ―散在ガ池の河童猫 (福音館創作童話シリーズ)
作者: 朽木祥,山内ふじ江
出版社/メーカー: 福音館書店
発売日: 2005/10/01
メディア: 単行本

私自身子どもの頃にすごく民話好きで、河童の話は特に好んで読んでいました。
その河童が、民話じゃなくて、怖い妖怪としてでもなく、描かれているとしたらどんな風にだろうと興味を持っていました。
1年半前に図書館から借りて、自分で読んだときに、情景描写の美しさ、河童の八寸と麻の絆―ああ日本人で良かったとしみじみ感じながら読みました。
鮮やかな赤や黄色や緑じゃなく、しっとりとした色合いのお話です。和風な色、浅黄とか萌葱とかの。初めの場面から、すごくみずみずしい情景描写に感動します。そういう情景をもうちょっと味わえるようになってからと思っていたのですが、そろそろいいんじゃないかと「たそかれ」と合わせて購入。「かはたれ」は20日間ぐらいかけてゆっくり読みました。(最近「たそかれ」を読み始めたところ)
時に涙ぐんだり、八寸のトライアングルを鳴らしたようなきらきらの笑い声を想像して嬉しくなったり、ちょっと切なくなったりしながら、ハナと二人で大事に大事に読みました。

#その後「たそかれ」も読了しました。「たそかれ」は美しい不治の存在感に圧倒されながら、そして時を遡ったり戻ったりしながら、ぐいぐいと引っ張られるように読みました。前の物語からの時が埋められ、成長を感じ、(後半は特に)常に音楽に包まれているようでした。